重点継続課題
労働・社会政策
企業組織再編等を踏まえた使用者責任の明確化、事業譲渡における労働契約等の承継
企業組織再編や純粋持株会社などにおける健全な労使関係の構築に向け、親会社が子会社従業員の雇用・使用者責任を負うことや、純粋持株会社、グループ企業、外資系企業、投資ファンドなどにおける使用者概念を明確にする。
また、会社分割における労働契約承継法を参考に、事業譲渡においても労働契約や労働協約が新会社に承継される制度を創設する。
<背景説明>
近年、合併や買収、事業再編等に伴い、企業組織の再編や純粋持株会社化など、いわゆるグループ経営への移行が急速に進んでいる。こうした経営形態の変化により、親会社が子会社の経営や労務管理に実質的に関与しながらも、法的には使用者責任を負わないとされるケースが生じ、子会社における労働基本権の実効性が十分に担保されないという問題が顕在化している。
このような状況を踏まえ、2025年1月には、厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会の下に「組織再編に伴う労働関係の調整に関する部会」が設置され、事業譲渡等指針の見直しや、企業組織再編に伴う労働者保護のあり方についての検討が開始されている。しかし、指針の見直しにとどまる対応では十分とは言えず、実態に即した使用者責任が明確化されるよう、法制度による対応が求められる。
また、事業譲渡を伴う合理化や再編の場面では、労働契約や労働協約の承継が大きな課題となる。現行制度では、事業譲渡の場合、原則として労働契約等が自動的に承継される仕組みがなく、労働者の雇用の安定が脅かされるおそれがある。会社分割における労働契約承継法と同様に、事業譲渡においても労働契約や労働協約が新会社に承継される制度を整備することが、労働者保護の観点から不可欠である。



