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重点継続課題

労働・社会政策

税と社会保険料の一体的改革の推進と税の所得再分配機能の強化

負担と給付のバランスについて納得しやすい制度とするため、税と社会保険料を一体のものとして負担と給付を設計し、徴収面での一元化を行うことを検討する。

また、税の所得再分配機能を強化するため、所得税の「所得控除」のうち人的控除については可能な限り社会保障給付に振り替え、残すものについては「税額控除」に改めることを検討する。

<背景説明>

税と社会保険料は、ともに国民に負担を求める制度であるが、その制度設計や算定方法は大きく異なっている。税については、年間所得を基準に一定のルールのもとで税額が計算される一方、社会保険料は特定の時期における収入をもとに算出される標準報酬月額などを用いて決定されており、両制度の間には必ずしも整合性が確保されていない。

こうした制度的な違いに加え、所得の種類によっては当局が十分に把握することが困難な場合もあり、雇用形態や働き方の違いによって、実質的な負担に差が生じている。さらに、家族・世帯の形態、所得水準、年齢、社会保険への加入状況などの違いによって、税・社会保険料を合わせた負担率に不平等や不合理が生じているとの指摘も少なくない。

本来、国民一人ひとりがその能力に応じて公平に負担し、支援を必要とする人には適切な保障が行き届く制度であることが、社会制度および社会保障制度の根幹である。その観点からすれば、現行制度には、所得再分配機能の十分な発揮という点で課題が残されている。

社会保障制度を持続的に維持・構築していくためには、税と社会保険料を切り離して捉えるのではなく、両者をどのように組み合わせ、全体として公平で納得性のある負担と給付の仕組みとするかが重要である。特に、給付水準と負担のバランスについて、税と社会保険料を一体的に評価し、制度全体としての公平性・中立性を検証していく必要がある。

また、社会保険料の負担増を避けるために就業時間や収入を抑制するといった、いわゆる就業調整が生じている現状は、働く意欲を損ない、人手不足の解消や経済の持続的成長の観点からも看過できない課題である。税と社会保険料の一体的改革を通じて、こうした「壁」を解消し、誰もが安心して働き続けることのできる就労促進型の制度へと転換していくことが求められている。

所得税額は、給与収入から所得控除を差し引いた課税所得に税率をかけて算出する。そのため、所得控除の減税効果は税率の高さに比例し、減税効果は高所得者ほど大きくなる。逆に税額控除は、課税所得に税率をかけた値から差し引くため、減税効果は税率の影響を受けなく、低所得者も高所得者も一律であり、所得控除に比べて低所得者に有利になる。このように、所得控除は高所得者に、税額控除は低所得者に、より恩恵があることに留意し、税の所得再分配機能を強化するため、所得税の所得控除のうち人的控除(配偶者控除、扶養控除など)については可能な限り社会保障給付に振り替えて給付があることを分かりやすく示すとともに、残すものについては「税額控除」に改めることを検討するべきである。