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UAゼンセン重点課題

労働・社会政策

雇用形態に公正な処遇の整備

有期契約労働者の雇用の安定と処遇改善にむけて、全労働者に対する就業場所・業務の「変更の範囲」の明示、および有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限、無期転換申込機会、無期転換後の労働条件が有期契約労働者に対する労働条件明示事項として追加されたことについて、好事例の収集をはかり、内容の周知徹底をはかる。

また、施行5年後をめどに本改正の実効性を評価し、労働契約法において無期転換申込権の発生期間の短縮や転換後の労働条件について均衡を考慮した事項に関する事業主の説明義務化、無期転換の阻止を目的とした使用者による行為を禁じる措置の強化を検討する。

政府の「同一労働同一賃金ガイドライン」については、改正後のガイドラインに基づいた監督行政を強化する。また、パート・有期法においては、雇用形態間の均等・均衡処遇の実現に向けた「同一労働同一賃金」規定の効果検証や、採用時の事業主による説明責任の義務化を行う。加えて、働き方によらず労働者の安全と健康を確保するため、定期健康診断およびストレスチェックの対象となる常時使用する労働者の対象を週20時間以上の者に拡大する。

<背景説明>

短時間労働とは、ILOのパートタイム労働条約(第175号条約)にもあるように、本来労働者の長い職業人生において自由に選択できる働き方の一つであり、経済的にも重要な役割を果たす価値あるものだが、選択する労働時間ゆえの課題もある。

UAゼンセン短時間労働者意識調査(2024年6月)によれば、回答した短時間組合員の半数近くが、「同じ職場で働き続けたい」と回答している。

一方、2022年のUAゼンセン組合員意識調査では、短時間・契約社員組合員が職場で改善・実現を希望する事項として、賃金に加え、一時金や退職金の支給が多く挙げられており、処遇面の格差が依然として大きいことが示されている。

また2024年度の能力開発基本調査では、企業がOFF-JTおよび自己啓発支援に支出した費用やその成果を賃金・役職等に反映する割合は、正社員が正社員以外を大きく上回っている。

労働者がライフスタイルの変化により希望する労働時間を選択し、生産性高く充実した職業生活を送るためには、いわゆる「年収の壁」といった取り巻く環境への対策に加え、「同一価値労働同一賃金」の実現にむけた継続的な取り組みが必要である。

今般、2020年施行のパート・有期法は、施行後5年をめどとした見直し規定に基づき、2025年2月より厚生労働省労働政策審議会・同一労働同一賃金部会において議論が行われ、制度施行後に蓄積された最高裁判例を踏まえ、これまで曖昧であった判断基準を具体化・明確化し、職場における不合理な待遇差是正を着実に進めるものとなった。具体的には、同一労働同一賃金ガイドラインの内容の充実、福利厚生施設利用の配慮、待遇差の説明義務の改善、派遣労働の「同一労働同一賃金」の運用改善がおこなわれている。こちらについては正社員と正社員以外の格差が現存することから効果検証と内容の更新を継続する必要がある。一方、法第12条については適用範囲を福利厚生施設に留めず、特別休暇や健康支援等に広げることで、短時間・有期労働者の能力の発揮や福祉の増進をはかることが求められる。

特にパート・有期雇用労働法14条2項の事業主の説明は、2023年の同一労働同一賃金の対応状況等に関する調査(労働調査)において待遇差説明を受けたことがあると回答した者が僅か8.0%であることからも労使間の情報の非対称性の是正や不合理な待遇差の発生を抑止できていない可能性が高い。不合理な待遇差への対応を促すとともに、短時間・有期契約労働者が待遇差の内容と理由を理解し、納得して働けるよう、次回以降の見直しで義務化に向けて議論を継続すべきである。

なお、2022年のUAゼンセン組合員意識調査によると、短時間・契約社員として働く理由として、「正社員として働けなかったから」は契約・期間・嘱託社員の男性で4割強、女性で3割弱を占める。無期転換ルール(労働契約法第18条)の次期見直しに際しては、UAゼンセンの労働政策や加盟組合の実態を踏まえ、無期転換申込権の発生期間の短縮等の検討が考えられる。また、パート・有期法のもと処遇改善が不十分な状態で無期権を行使した場合に対し、同一労働同一賃金の考え方を波及させる具体策の検討が必要である。

2023年度UAゼンセン労働条件実態調査では、週20時間以上30時間未満の短時間労働者へ定期健康診断を実施している加盟組合は81.8%にのぼる。労働時間によらず健康確保の取り組みが進んでいる実態を踏まえ、一般健康診断を実施すべき「常時使用する短時間労働者」の要件を変更し、対象を拡大すべきである。